2020年09月29日 【所蔵品紹介 2】藍絵城館文皿(スペイン)
昨日より引き続きスペイン陶器の紹介をいたします。
森の中を歩いていると、ふと視界が開けて素敵なお城が現れた、
というおとぎ話の一場面を表したようなお皿です。
タラベラ・デ・ラ・レイナは、首都マドリードから西へ約120kmにある陶器の町です。
17世紀には、イタリアの錫釉陶器の影響を受けた色鮮やかな陶器を生産し、人気を博しました。
色絵だけでなく、このようなコバルトのみを用いた絵付けも行っています。縁に描かれた樹木はタラベラの陶器によく見られる文様です。
描かれている文様は遠く離れたスペインの情景ですが、なぜか懐かしい気持ちにもさせられる、不思議な作品です。