石洞(せきどう)美術館は、美術工藝を通しての国際間の文化交流、相互理解の促進、我が国文化の向上を図るため、2006年4月に公益財団法人美術工芸振興佐藤基金によって設立されました。
所蔵品は、佐藤千壽(せんじゅ)の収集したコレクションを核としており、美術館の名称は佐藤の雅号「石洞」から採っています。
石洞美術館が入っている建物は千住金属工業株式会社(はんだ製造)の本社ビルですが、銅板葺きおろしの屋根、煉瓦タイル貼の平面六角形のユニークな建物です。また、館内はグレーを基調としたシックな作りになっており、工藝品が見やすいように配慮しています。スロープで1階と2階の展示空間を繋いでいることも石洞美術館の特徴の一つです。
主な所蔵品は、世界各地のやきもの、茶の湯釜、ガンダーラの仏像、漆器、青銅器、玉器などで、館蔵品を中心とした企画展を年3回程度開催しています。
佐藤千壽(せんじゅ)(1918~2008)は、千住金属工業株式会社の社長、会長を歴任した実業家で、十代後半から美術品を収集し、古染付やイスパノ・モレスク、茶の湯釜など、特徴的なコレクションを作りました。その収集品は多岐にわたりますが、何れも愛らしい作品ばかりです。また、その収集品からは、陶芸家や鋳金作家など多くの芸術家との交流を伺い知ることができます。