2020年09月28日 【所蔵品紹介 1】藍絵草花文筒瓶(スペイン)
すっかり秋らしい気候になりましたね。
本日は所蔵品の紹介をいたします。
当館ではスペイン陶器を所蔵しており、2016年には「スペイン陶器展―煌めきのイスパノ・モレスク―」を開催致しました。
この作品のような円筒形の壺はアルバレロ(albarello)と呼ばれ、主に薬壺として用いられました。その原型はイスラーム陶器にあります。イスラーム陶器の技法を受け継いでスペインでも製作され、輸出先のイタリアでも製作されるようになりました。使用する際は、口に羊皮紙や布をかぶせ、紐で縛って密閉していたようです。
錫釉のやわらかな白色に淡いコバルトの青色で草花の文様が描かれています。口の部分に歪みが生じていますが、おおらかな絵付けによって素朴で味わい深い作品に仕上がっています。